
内科で「異常なし」と言われた動悸・胸痛、次の一歩をどう踏み出すか
通勤電車や大切な会議の最中に襲ってくる激しい動悸、胸の締めつけ。内科で検査を受けても「異常なし」と言われ、行き場を失っていませんか。それは決して甘えではなく、ストレスや自律神経の乱れが身体に表れているサインかもしれません。本記事では、症状が起こる医学的な仕組み、次に相談すべき診療科の見極め方、働きながら通えるクリニックの選び方を整理してお伝えします。
この記事の要点まとめ
- 内科で異常なしでも、自律神経の乱れや心理的要因が動悸・胸痛として表れることがある
- 症状のきっかけが身体的か心理的かによって、循環器内科と心療内科で相談先が異なる
- 早めに専門家へ相談することで、予期不安の悪循環を防ぎ、通院継続しやすい環境を選べる
目次
- 内科で「異常なし」でも動悸・胸痛が起こる医学的メカニズム
- 【次に行くべきはどこ?】循環器内科と心療内科の明確な判別基準
- 「ただの疲れ」と我慢することのリスク
- 働きながら無理なく通える大船駅周辺のメンタルクリニックの選び方
内科で「異常なし」でも動悸・胸痛が起こる医学的メカニズム
心電図やレントゲンで「心臓に問題なし」と言われても症状が続くのは、身体の別の仕組みが関わっている可能性があるためです1。ここでは代表的な3つの要因を整理してみましょう。
ストレスが自律神経を乱し交感神経を過剰興奮させるプロセス
強いプレッシャーや慢性的な緊張が続くと、身体を活動モードにする交感神経と、休息モードの副交感神経のバランスが崩れていきます。交感神経が過剰に働き続けると、心拍数が急激に上がり、血管が収縮して胸が締めつけられるような感覚が生じることがあります。構造的な異常が確認されなくても、自律神経の乱れそのものが動悸や胸痛といった身体症状として表れることがあるのです1。とくに納期や人間関係のストレスが積み重なるビジネスパーソンでは、通勤電車や会議前など特定の場面で症状が誘発されやすい傾向が指摘されています。
心臓神経症や過呼吸症候群がもたらすリアルな胸の苦しさ
心臓自体に異常がないにもかかわらず、強い不安や恐怖から胸痛・動悸を繰り返す状態は「心臓神経症」と呼ばれます。また、緊張で呼吸が浅く速くなり、血中の二酸化炭素が過度に低下することで、手足のしびれや息苦しさ、動悸を伴う「過呼吸症候群(過換気症候群)」も見過ごせない要因です。いずれも直ちに命に関わる病態ではないとされますが、症状の強さは本人にとって心筋梗塞と区別がつかないほど激しく感じられることがあり、「気のせい」と片づけるのは適切ではありません。
肋間神経痛や逆流性食道炎など「他疾患」による胸痛との見分け方
胸痛の原因は心臓だけに限りません。深呼吸や姿勢の変化で痛みが強くなる場合は肋間神経痛(整形外科・ペインクリニック領域)、食後や横になったときに胸焼けを伴う場合は逆流性食道炎(消化器内科領域)の可能性もあります。「どんなときに痛むか」を記録しておくことが、次の相談先を選ぶ大きな手がかりになります1。
【次に行くべきはどこ?】循環器内科と心療内科の明確な判別基準
「内科で異常なし」と言われたあと、多くの方が迷うのが次の相談先です。症状の出方によって、進むべき方向は変わってきます1。
微小血管狭心症(INOCA)などの見落としを防ぐ循環器内科の受診基準
一般的な心電図やエコーだけでは検出しづらい「非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)」や微小血管狭心症、冠攣縮性狭心症といった病態も知られています。運動時や早朝に胸痛が繰り返し起こる、家族に心疾患の既往がある、喫煙歴や高血圧・脂質異常症を指摘されている——こうした背景があるなら、24時間装着するホルター心電図や負荷検査など、循環器内科での精密検査を検討する価値があります。
特定のシチュエーションで動悸が起きるなら心療内科へ
一方で、「満員電車に乗った瞬間」「上司の前で発表するとき」「特定の場所に近づくと」といった具合に、心理的なきっかけと症状が結びついている場合は、自律神経や不安障害を扱う心療内科・精神科が適していることがあります。予期不安やパニック発作が関与しているケースもあり、循環器の検査を繰り返しても手がかりが見つからないことも少なくありません。動悸のたびに恐怖が積み重なる前に、早めに相談しておくことが選択肢を広げます。
「ただの疲れ」と我慢することのリスク

「異常なしなら我慢するしかない」と自分を追い込むことは、かえって症状を長引かせる要因になりかねません1。
不安がさらなる発作を呼ぶ「予期不安」の悪循環
一度強い動悸や胸痛を経験すると、脳の扁桃体という部位が「あの場所は危険だ」と記憶し、同じ状況に近づくだけで身体が反応することがあります。これが「予期不安」と呼ばれる現象で、通勤電車や会議室そのものが恐怖の対象になっていく悪循環を生みかねません。放置するほど発作の頻度や強度が増していく傾向が指摘されており、早めの対処が推奨されます。
気分の落ち込みや休職につながる前の早期相談
身体の危険信号を無視して働き続けると、エネルギーが枯渇し、二次的に気分の落ち込みや意欲低下が重なることがあります。結果として長期の休職につながる例もあり、キャリアや家計への影響は決して小さくありません。「まだ動ける」と感じるうちに相談しておくことが、結果として短い期間での立て直しにつながる可能性があります。
突然の動悸に襲われたときのセルフケア
発作時にまず試したいのが、息を吐く時間を長くする腹式呼吸(4秒吸って、6〜8秒かけて吐く)です。副交感神経が優位になり、心拍が落ち着きやすくなるとされています。座れる場所を探し、冷たい水を少しずつ飲む、手のひらを冷やすといった刺激も役立つことがあります。ただし、これらはあくまで一時的な対処であり、症状が繰り返す場合は医療機関への相談を検討しましょう。
働きながら無理なく通える大船駅周辺のメンタルクリニックの選び方
心療内科の受診には心理的なハードルを感じる方も多いですが、通いやすさと診療方針を事前に確認することで、不安は大きく軽減できます。
「薬漬けになるのでは」という誤解と薬物療法の考え方
心療内科の薬に対して「依存してしまうのでは」「一生やめられないのでは」と不安を感じる方は少なくありません。実際には、症状や体質に応じて必要最小限の処方から始め、経過を見ながら段階的に調整していくのが一般的です。当院では薬の処方は最小限にとどめ、希望される方には漢方薬の処方にも対応しています。薬だけに頼らず、生活背景や働き方まで含めて相談できる環境を選ぶことが大切です。
駅近・プライバシー確保で通院を続けやすい環境
継続的な通院のしやすさは、立地とプライバシー配慮に大きく左右されます。仕事帰りに立ち寄れる駅前立地、土曜日の診療対応、待合や診察室での音漏れ対策など、「周囲に知られたくない」という気持ちに寄り添う設備が整っているかは事前に確認したいポイントです。当院は大船駅笠間口から徒歩すぐの立地で、診察室には防音設計とサウンドマスキングを導入し、プライバシーに配慮した環境を整えています。
大船駅前笠間口メンタルクリニックの診療スタイル
当院では、睡眠障害・適応障害・パニック障害・自律神経失調症など幅広いご相談に、経験を積んだ院長が対応しています。動悸や胸痛といった身体症状の背景にある心の負担にも丁寧に耳を傾け、患者さまの意向を尊重した治療方針をご提案します。24時間対応のWEB予約や土曜診療にも対応しており、忙しい方でも通院を続けやすい体制を整えています。「受診するほどでもないかも」と迷っている段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. 動悸や胸痛はどの科を受診すればよいですか?
A. まずは内科や循環器内科で、心臓の器質的な異常がないかを確認するのが基本です。検査で異常が見つからず、特定のストレス場面で症状が出るような場合は、心療内科・精神科での相談を検討することが推奨されます。
Q2. 動悸は何分続いたら注意が必要ですか?
A. 一般的に、安静にしても動悸が数分以上続き、強い胸痛・冷や汗・失神感・呼吸困難を伴う場合は、迷わず救急要請を検討してください。短時間で治まる場合でも、繰り返すようであれば早めに医療機関を受診しましょう。
Q3. 動悸の原因はレントゲンでわかりますか?
A. レントゲンで確認できるのは、心臓の大きさや肺の状態など限られた情報です。動悸の詳細な評価には、心電図、ホルター心電図、心臓超音波(エコー)、血液検査などを組み合わせるのが一般的です。
Q4. 胸痛が何日続いたら病院に行くべきですか?
A. 数日にわたって胸痛が続く、日常生活に支障がある、症状が徐々に強くなっている——こうしたケースでは、日数にかかわらず早めの受診をご検討ください。強い痛みや息苦しさを伴う急な発症であれば、時間を置かず救急対応を検討しましょう。
Q5. 心療内科に通っていることは会社に知られますか?
A. 医療機関には守秘義務があり、患者さまの同意なく勤務先へ情報が伝わることはありません。診断書の提出が必要な場合も、記載内容についてご希望を伺いながら作成いたしますので、事前にご相談ください。
参考文献
1. 日本内科学会. https://www.naika.or.jp/
日本精神神経学会専門医
日本医師会認定産業医
